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136 :料理店で妄想更にチェイス 1/3:2007/11/23(金) 04:21:12 ID:CIlYmoyH
「おい見ろよ! あいつら奇声発した挙句追い出されてるぜ。一体何やったんだろーな?」

野次馬根性を丸出しに、半笑いで椅子の背越しに後ろを振り向いているのは緑髪のレンジャーの若者。
身を包む深緑のスーツは髪の色と合いまって落ち着いた雰囲気を醸し出しそうなものだが、その軽挙妄動とシンリンチョウに似たド派手な蝶ネクタイが折角の大人ムードを台無しにしている。

その視線の先では、抗議の声を上げる青髪のソド男とそれをからかうメディ子、そして彼らのとばっちりを受けて消沈した顔のアルケ女とパラ男ら四人が今まさに店を強制退出させられているところだった。


これは冒険者たちの招待された、とある高級料理店での一幕。
 
「行儀が悪いですよミドレン。前を向いてきちんと座りなさい」

涼しい顔で同輩をたしなめるメディックの服装は、特に普段と変わらないように見える。
が、それに先刻ミドレンが突っ込むと、
「あなたの目は毒樹の節穴ですか? この白衣はいつもの安物とは違って、そもそも素材からして云々――」
と、眼鏡の奥に据わった目を光らせながら、くどくどとその違いを説明されかけたので、 一応正装という認識で合っているのだろう。


「それにしてもうちのギルドの女性陣は遅いですね」
「古今、女性の着替えは時間がかかるものと相場は決まっているからね。こうして待つのも楽しみのうちさ」

本当に愉しそうに、鼻歌交じりで銜えた葉っぱを弄ぶ対面のバード。
その格好は、シルクのシャツの上に綿のセーターを着込んだラフなものであったが、 流石各地の酒場を流すと共に数多くの女と浮き名をも流した伊達男らしく、随所を飾るアクセサリも小粋に決まっている。

「野郎でもあと二人来てないけどなー。リーダーだろ、あと――」

ミドレンがそう言いながら暇そうに、ストローの皮に水を垂らしたのを眼鏡メディに取り上げられた時、
何者かが息せき切ってテーブルに近づいてきた。


「やあ、お待たせっ」

首の後ろ、リボンで結わえた柿色の髪を揺らしながら、美少女――にしか見えない人物が柔和な笑顔を見せた。
細い金糸で刺繍されたケープの下、膝まで隠す薄桃色のワンピースが華奢な体を可憐に浮き立たせている。

「いやー、ぜんぜん待ってないよー……って、どなたさまでしたっけ?」
ミドレンは眼前の見慣れぬ女の子の姿にドギマギしながらも、妙に引っかかるものを感じながら尋ねた。

「やだなーミドレンさんたら。忘れたふりなんて意地悪しちゃ~。ボクボク、バド男だよー」
リボンをほどいて屈託無く笑うバド男に、ミドレンは矢よりも早く突っ込んだ。

「お前かよっ! ってか紛らわしい格好すんじゃねえええ!!」
どうどう、と逸るミドレンを抑える葉っぱバードも、バド男の変身ぶりに「うまく化けたなぁ」と感嘆しきり。 眼鏡メディに至っては眼鏡のブリッジを押し上げながら
「前々から思っていたのですが……貴方、実は女の子じゃないのですか? 性別詐称は医術への背信行為です!!
 キャンプ措置と言う名のお医者さんごっこで体の隅々まで調べさせてもらいましょうか!」
と手をワキワキさせたところを三人から引っぱたかれる始末である。


「ごめんなさいねえ、緑くん。私たちが無理言ってバド男くんに着せ替えさせちゃったのよー」
「せやせや。あー、もしかしてミドレン、バド男兄ちゃんにドキドキしてもたんかー?」
いつの間にか後からやって来た女性二人がくすくす笑ってそのやりとりを眺めている。女性バード二人組だった。

「しっ、してない! するもんか! 男にドキドキしたら負けかなと思ってるし!!」
内心の焦りを隠しつつ女性陣二人の姿を見やるミドレンは、更なる絶望にチェイスショックされる。

「な、何ですかいお二方、その格好は!?」
グラマーな肉体が自慢の年長の褐色バードは、エキゾチックな意匠に彩られたベストに暗色のブラウスと長い巻きスカートを身に着け、年弱のツインテールに至ってはその幼い体を、白いフリフリのレースとリボンでこれでもかとばかりにデコレーションされたドレスに身を包んでいる。

「どう? 似合うかしら」
「あまりじろじろ見るなやー、このスケベー」
「に、似合うも何も――」

ミドレンはウーズの如くぷるぷると打ち震えた。

「いつもよりっ! 露出がっ! 少ないじゃあっ! ありませんかあああ!!!」

余りにも悲痛な慟哭が辺りに響き渡る。それはまさに彼の魂の痛みの噴出であった。


137 :更にチェイス…失敗 2/3:2007/11/23(金) 04:22:08 ID:CIlYmoyH
ミドレンが大ナマケモノによく似た屈強なウェイター二人に両手を取られて外に放り出されるのは、その直後。

「あらあら、緑くんもうお帰り? 残念ね~」
「じゃあなーミドレーン。……プッ、あいつ、マジ泣きしてんw」

「露出度だけで判断するとは、彼もまだ青いねえ」
葉っぱバードが連行されるミドレンを生暖かい目で見送ると、眼鏡メディが不敵な表情で笑った。

「はっはっは、いや確かに。裸なんて、かえってつまらないものですよ」
「あー……、その言葉は職業病だと受け取っておくよ」


料理店の外に放り出されて水溜りに頭から突っ込み、尻を天に向け _|\○_ な格好になっているミドレン。
色々なショックから立ち上がれずにしばらくそのままうつ伏せていると、すぐ近くからとある二人組みの会話が耳に入ってきた。声色から女性のようだが、奥の方の声は聞き取りにくい。


「なあ、本当にこんな派手な格好でいいのだろうか」
「いーのいーの。こういう時でないとレン姉はお洒落しないんだから」
「でも、やっぱり素顔を出すのは……」
「いい加減覚悟決めてくださいな! いつも地味地味言われてて悔しくないっすか!?
 皆をあっと言わせてやりましょうよ!」
「いや、私は別に悔しくなど……」

そのやりとりで、大きな声を出しているのが聞き知った相手だと知ると、ミドレンはがばっと顔を上げた。

「先制ブーストぅおっ!!」
「うきゃあ!? びっくりした!!」

夕飯時である。辺りは営業している店先を除いて、暗闇に支配されている頃合いだ。
僅か5メートル程先、今入ろうとしている料理店入り口の対面の漆黒の水溜りが突然、人の形をとって起き上がったので、日頃皆から地味扱いされているレンジャーの少女は飛び上がった。

「地味子、その声は地味子じゃないか!」
「何そんなとこで泥水すすってんのミドレン! あと地味子って言うな!」
「待った、多くは聞いてくれるな。男には誰しも人に言えない秘密があるものさ」
「はあ、こっちもあんたのろくでもない趣味なんて聞きたくも無いけどね」
「趣味、違う、秘密!」


落ち着いてレン子の格好を見てみれば、精一杯おめかししてきたのだろう。
いつもの野趣溢れるへそ出しルックと違い、赤を基調にしたショートドレスを着け、 首周りにはスカーフ。髪にも羽の形をした髪留めを着けたりしている。

「しかしお前……、その格好は……」

相手が自分の衣装に注意を払っているのに気づき、レン子は少し照れが入りながらも、精一杯の虚勢を張った。
「ど、どーよ。もしかして見直しちゃった、とか?」
「やー、馬子にも衣装とは言うが、地味子にも貸し衣装だなぁ。うんうん、見直したぜ!」
彼にとっては別に悪意でも何でもなく褒め言葉のつもりなのだが、

「ま、また……地味子って言うなぁ! あとこれ貸し衣装じゃないから! あたしが買ったんだから!」
そう取られる筈もなく。


138 :弓使い大好き。失礼しました 3/3:2007/11/23(金) 04:23:33 ID:CIlYmoyH
ぶんぶんと振られるレン子の拳骨を華麗なステップで避けながら、もう一人の存在を思い出す。

「うわーん、地味子が地味に苛めるー! レン姉さん助けてー」
「待てー! まだ地味って言うかぁ!」

店の軒下の暗がりで佇んでいた人物の影を、先ほどの会話から類推して、いつもレン子が慕っている
眼帯レンジャーだと踏んだミドレンは、その後ろに隠れるようにしてレン子の拳を避けようとした。

「え……」
「あ……ごめ、人違――い?」


暗がりの中、吐息の届くような距離で互いの視線が交錯する。
緩くウェーブのかかった亜麻色の髪は、よく見知った眼帯レンジャーのそれであったが、 その顔の細部が記憶と一致しない。
右半面を黒い眼帯で、口許をマフラーで隠し、目深にかぶった帽子の下には、険しい視線が樹海の標的を射抜くように向けられている。
その彼の中の記憶とは裏腹に、今対面しているのは、顔にかかる髪の他は遮るもののない、初めて見る彼女の素顔であった。



小さく形の良い口はきゅっと引き締まり、筋の通った鼻梁の両脇に、見覚えのあるつり目がちの右眼と、対照の左目が驚きに見開かれている。
その頬は素顔を男に晒すことに慣れていないのか、暗がりで見ても分かる程に紅潮していた。

目を落とせば無骨なレンジャーの扮装とは異なり、胸元と肩を大きく出したマリーゴールドのフォーマルドレスが彼女の女性らしさを強く主張している。
既に彼の脳内にあった気高い鷲のような彼女のイメージは、一転して優美な白鳥に生まれ変わる。

「きえっ……けっ――」
「――っ!!」

距離が狭まる。奇声がミドレンの口を突く。彼にも思いがけないことであった。


「結婚してくだしあ!!!?」


言い終える寸前。眼帯レンジャーの羞恥心が頂点に達するのと、地味レン子の怒りが炸裂するのは同時。
平手と拳骨が、ミドレンの頭部をダブルショットした。

ギルド 『弓だらけ』 の夜食会は、地味レン子と眼帯レンジャー、さらに遅刻した金髪ロン毛のリーダーの到着を待って、恙無く和気藹々の内に終わったが、眼帯レンジャーは終始眼帯とマフラーを着けたままだったという。


翌日、長鳴鶏の宿にて昏倒から目覚めたミドレンは呟いた。

「俺はあの時確かに見たんだ……。レン姉さんの素顔を……。
 だが皆はあの夜レン姉さんはずっと眼帯を着けてたと言う。レン姉さんも俺に会っていないと言う。
 これはどういうことなんだ地味子? 教えてくれ地味子」


「知らない。人違いでしょ人違い。あと地味子って言うな」



139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/23(金) 05:24:31 ID:z/XHys0P
>>136-138
GJGJ
照れるレン子かわいいよ照れるレン子(地味も眼帯も)

バドはワンピースのまま過ごしたのかも気になるところだが。


142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/23(金) 07:49:46 ID:0nKNs0F8
>>136
レン姉可愛いよレン姉。

金バド男が、女性バド達に楽しげにおもちゃにされてる光景が目に浮かぶわw


------------8<---------------------------

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/23(金) 10:16:55 ID:0tYk/1dq
ところでダク男がさきほどから姿を見てないわけだが、だれか知らない?
酒場で一杯やろうとしたら給仕が可愛らしい娘になってるし、女将さんはいないし
厨房にはごついコック二体いるし、今日はおかしな日だぜ


148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/23(金) 10:26:25 ID:KikKiePl
>>147
コックを「二体」と数えるなwww


149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/23(金) 10:51:15 ID:4U0koW5s
ロリピコ「えへへ、注文を取ってきたやったぞ」
デモン「オーダー入りまーす」
オウガ「・・・」
デモン「ん、どうした?」
オウガ「鶏肉が切れた」

じ~~~っ

イワオ「ちょwwwww」


 

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